憲法講師してきました       (弁護士前田牧)

先日、福岡県労連さんで、憲法についての講演を行いました。

 

自民党から改正憲法草案が出されていますが

これを今の憲法を比較することで

憲法についての近いを深めることができます。

ですから、改憲草案、とってもいい教材なのですよ。

さて、

憲法には、国民の「自由」が多く規定されています。

何からの自由か、というと、「国」からの自由です。

これ以上、「国」は「国民の自由」を制約してはいけないと

というルールですね。

このルールを守らなければならないのは、「国民」ではなく「国」です。

つまり、憲法は、「国」(わかりやすく言えば政治家とか行政とか)に与えられた

ルールブックなのです。

 

国民の自由の話に戻りますと、

例えば、改憲草案には、表現の自由の項に新しい規定があります。

 

現行憲法 第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、

          これを保障する。

改憲草案 第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由を保障する。

       2  前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを

          目的とした活動を行い、並びにこれを目的として

          結社をすることは認められない。(←New!)

 

このように、第21条には2項が新設されていますね。

 

「結社」というと秘密結社みたいなイメージですが、

多数の人が政治、経済、宗教、芸術、学術、社交など

さまざまな共通の目的をもって、継続的に結合することを「結社」といいます。

労働組合も弁護士会もアイドルのファンクラブも、

よくある「●●の会」みたいなのも、みんな「結社」です。

 

で、今の憲法では結社の自由は保障されていますが

改憲草案では

 「公益及び公の秩序を害することを目的として結社」

については、会を作ること自体を認めない、としています。

 

これはとっても大きな、そしてよくわからない制約です。

「公益及び公の秩序を害する」って、どの程度のものなのでしょうか?

それを誰が判断するのでしょうか?

改憲草案の説明によれば、オウム事件を念頭においているようですが、

少なくとも、それより広範な制約が可能なように思えます。

 

自由は、それを享受している間は有り難みが無く、

制約されてはじめて「昔は自由だったなあ」と感じるものですよね。

 

しかも、表現の自由は、一度制約されてしまうと

元に戻すのはとても難しいと言われいます。

だって、「元通り、自由に会を作りたい!」と求めることを目的とした会を作ろうとしても

その会を作ること自体、認められないかもしれません。

そうすると、そういう声は政治的な力を失っていくのかもしれません。

 

・・・そいう風に

改憲草案と今の憲法を見比べると、

憲法についての理解が深まるでしょう?

今回の講演では時間の都合でここまで踏み込めませんでしたが

また機会があれば、わかりやすくお話ししたいと思いますー。