北九州市営バス待機時間未払い賃金請求事件

■2015年5月

 

北九州市営バスの嘱託運転手が乗務の合間に待機する時間が労働時間に当たるかどうかが争われた事件。

 

一審福岡地裁は待機時間について「労働から解放されておらず、使用者の監督下に置かれていた」として労働時間であると認定。市に対して、運転手ら14人に未払い賃金の計約1240万円を支払うよう命じた。

 

市側は訴訟で「待機中は自由に過ごせるため、休憩時間に当たる」と主張していたが、裁判では「バスの移動や乗客対応をする必要があった」と認定。労働基準法が労働時間に当たると定める「労働者が使用者の監督下に置かれた状態」と判断した。

 


カネボウパワハラ事件(控訴審)

■2013年

 

社内研修でコスチュームを着用する「コスプレ」を強要された女性が、精神的苦痛を受けた として、化粧品大手「カネボウ化粧品」の子会社「カネボウ化粧品販売」に勤務していた大分県内の女性が、社内研修でコスプレを強要された事件。

 

会社と当時の上司らに約330万円の損害賠償を求めた訴訟で、会社側が女性に謝罪し、和解金を支払うことなどを条件に福岡高裁で和解が成立。 

1審・大分地裁判決では、研修会で、ウサギの耳の形などをしたコスチュームを着用させられたことについて、「正当な職務行為とはいえない」として、子会社側に22万円の支払いを命じていた。 

和解条項には、子会社側が〈1〉精神的苦痛を与えたことに遺憾の意を表明する〈2〉再発防止に向けて社員教育を強化することなどが盛り込まれた。 

 


クリーニング店残業代請求事件

■2012年

 

大手クリーニング店勤務で配送兼営業職に就いていた女性が、早朝から深夜に及ぶ長時間労働をしていたが、残業代は一切支払われていなかったという事件。

 

相談に来られた際タイムカードを取得されていなかったため、まず証拠保全手続きによりタイムカードを取得した。残業代を計算すると200万円程度となった。

その後、内容証明郵便にて残業代を請求したが、会社からは応答はなかった。

 

そこで労働審判を申立てたが、会社側は「残業手当は営業手当に含まれる」との規定があることを理由に支払いを拒否。その規定の有効性が争点になった。

調停が成立しなかったため、裁判所が審判を出した。会社側が180万円を支払うという内容の審判だった。

 

会社側がこれに異議申し立てをしたため、通常の訴訟に移行し、そこでも「残業手当は営業手当に含まれる」という規定の有効性が問題となった。

審理後、会社側が180万円を支払うことで和解が成立した。