普通解雇、懲戒解雇、整理解雇とは?

解雇には普通解雇、懲戒解雇、整理解雇の3つがあります。

 

■ 普通解雇

就業規則など雇用契約で決められている解雇事由(適正に欠ける、疾病のため復職できないなど)が存在する場合です。30日以上の解雇予告期間を与えるか、解雇予告手当の支払いが必要です。通常は、退職金が支払われます。

解雇が有効とされるためには、解雇事由となる事実が存在すること、解雇という処分が相当であること、解雇に至る手続きも相当であることが必要です。

 

■ 懲戒解雇

就業規則など雇用契約で決められている解雇事由(労働者に責任があるもの)がある場合です。懲戒解雇の場合は退職金を支払わない旨の規定があることが多いようです。

解雇が有効とされるためには、就業規則などに懲戒権の規定があること、懲戒事由となる事実が存在すること、懲戒解雇処分が相当であること、解雇に至る手続きが相当であることが必要です。

 

■ 整理解雇

会社の経営上、労働者を解雇して経営状況を改善する必要がある場合に行われます。

整理解雇が有効とされるためには、人員整理の必要性があること、解雇を回避する努力をしたこと、誰を解雇するかその選定が妥当であること、手続きも妥当であることが必要です。


解雇権の濫用とは?

上記のような要件を満たさない解雇は解雇権の濫用(不当解雇)として無効となります。

解雇が無効である場合は、雇用契約が継続していますので、労働者は労務を提供する義務があり、会社には給与を支払う義務があります。(もっとも、解雇された場合には、労働者が労務を提供しようとしても(仕事をしようとしても)会社側が拒否するのが普通です。)


不当解雇を争う方法はある?

不当解雇を争う場合、復職を目指して従業員としての地位があることの確認を求め、同時に給与の請求もしていきます。実際には復職せずに金銭的解決になるケースもあります。

主な手続きとしては以下のようなものがあります。

 

■ 交渉

裁判所などを利用せず、会社側と話し合いで解決する方法です。

会社側と合意できなければ復職できません。

 

■ 労働審判

裁判所の労働審判という手続きを利用して、復職や復職までの給与の支払いを求める方法。

労働審判は、3回までの裁判期日(だいたい申立から2〜3か月以内)で終了する迅速な手続きです。労働審判の内容に不服がある場合、どちらかが異議申し立てをすれば通常訴訟に移行します。

労働審判は3回で終了するので、申し立てするときにほぼすべての証拠を揃えて、主張を組み立てておく必要があります。申立書は専門的知識や裁判の経験がなければ作成するのは難しいと思われます。そのため、弁護士に依頼することをおすすめします。

 

■ 裁判

労働審判は、3回のみの期日で終わってしまうため、複雑な事案は向いていません。複雑な事案をきちんと解決するためには、裁判を起してお互いの主張や証拠調べを丁寧に慎重にやっていく必要があります。裁判は慎重な手続きですから時間がかかります。

 

■ 仮の地位を定める仮処分

裁判の結果がでるまでの期間、給与がなければ生活をしていくことができません。そのため、裁判の結果が出る前に、裁判所から給与を支払えという「仮の処分」を出してもらう手続きです。

 


不当解雇を争うときの注意点は?

実際のケースでは、労働者が「解雇」だと思っていても、会社側は、労働者が自主的に辞めた「自主退職した」と主張することが往々にしてあります。


このような争いにならないよう、「やめてほしい」と言われた場合には、「解雇された」のだと即断せずに、きちんと「解雇でしょうか?そうであれば、解雇通知書をください。」と言いましょう。


「解雇ではない」との回答であれば、労働者側から退職する必要はありません。退職する意思がないことをはっきり伝えましょう。