未払い賃金、残業代請求について


残業代請求について

「毎日深夜まで働いているのに残業手当をもらえない」

「課長になったら残業手当がなくなった」


このようなご相談をお受けすることが多くあります。

私自身も社会人経験がございますので、実際にこのようなケースが決して珍しいものでないことを知っています

 

あまり知られていないかもしれませんが、従業員を勤務させてもいい時間はきちんと法律で決まっています。

その時間を超えて勤務させるためには、所定の手続きを取らなければなりません。

その上で、時間外勤務については、時間外手当(割り増し賃金)を支払わなければなりません。


しかし、実際には、使用者がタイムカードなどで労働時間の管理をしておらず何時間残業してもまったく残業代を支払われていないケースも珍しないでしょう。

 

また、


「営業手当や役職手当を支払うかわりに残業代は一切支払わない」


といった規定を設けて、営業職の従業員や役職者に対しては一切残業手当を支払っていないケースもあります。(各種手当と残業代請求の関係はQ&Aをご残照ください。)

このようなケースでも残業手当を請求できる場合がありますのでご自身の場合、請求が可能か疑問に思われる方はご相談ください。

 

なお、残業代の請求については、法律の解釈など様々な論点があり、会社側と法律の解釈や規定の有効性をめぐって争いになることがあります。

ですから、当初から弁護士に依頼するのが解決への早道であるケースが少なくありません。 

まずはご相談ください。


残業代請求の手続きについて

■ 残業代請求の手続き

 ① 証拠収集・残業代計算

まず、タイムカード等の証拠を収集します。

会社側が協力しない場合には、裁判所の証拠保全手続きを利用することがあります。

タイムカードがない場合は、パソコンのログイン時間等の証拠を集めます。

その後、弁護士が残業代の計算をします。

 ② 交渉

内容証明郵便にて、会社に請求書を送付します。

その後の会社との交渉はすべて弁護士が行います。

依頼者様が直接会社の経営者や担当者と交渉することはございません。 

会社側が支払いを拒否しているケースでは、いつまでも交渉を続けるよりも

裁判所の手続きを利用した方が早期解決に資することが少なくありません。 

 ③ 労働審判

労働審判の申立書は弁護士が作成します。

申立書を作成する際には、そのような状況で残業をしていたかについて依頼者様の詳細な陳述書を作成します。この陳述書は、弁護士が依頼者様の話を聞き取ったうえで、審判でのポイントを踏まえて作成します。

申立書を裁判所に提出した後、約1か月〜2か月後に労働審判が開かれます。

労働審判は最大3回までの手続きです。

この手続きで、会社側と合意(調停)が成立しない場合には、

裁判所がそれまでの審理を踏まえ、審判という形で一定の結論を下します。

 ④ 訴訟

労働審判の内容に不服がある場合には、異議申し立てをすることができます。(調停成立の場合は異議申し立てはできません。)

異議申し立てをすると、通常の訴訟が始まります。

訴訟では、それまで提出した証拠等を踏まえ、更に審理を進めることになります。

残業代請求についての解決事例

大手クリーニング店勤務の女性。配送兼営業職。


早朝から深夜に及ぶ長時間労働をしていましたが、残業代は一切支払われていなかったというケースです。


相談に来られた際タイムカードを取得されていなかったため、まず証拠保全手続きによりタイムカードを取得しました。残業代を計算すると200万円程度となりました。


その後、内容証明郵便にて残業代を請求しましたが、会社からは応答はありませんでした。


そこで労働審判を申立てましたが、会社側は「残業手当は営業手当に含まれる」との規定があることを理由に支払いを拒否。その規定の有効性が争点になりました。

調停が成立しませんでしたので、裁判所が審判を出しました。会社側が180万円を支払うという内容の審判でした。


会社側がこれに異議申し立てをしたため、通常の訴訟に移行し、そこでも「残業手当は営業手当に含まれる」という規定の有効性が問題になりました。

審理後、会社側が180万円を支払うことで和解が成立しました。