解決事例


小学校体罰事件 

■ 2013年

福岡市立小学校の担任の男性教諭(31)から体罰を受け約1カ月のけがをしたとして、元児童の少年と母親が同市を相手取り約1000万円の損害賠償を求めた訴訟。福岡地裁は体罰を認め、約190万円の支払いを命じた。

 教諭が、当時5年生だった元児童の顔面を平手で2回たたき、両耳の鼓膜を破るけがをさせた事件。廊下を走った元児童に理由をただしたが、反抗的態度を取ったと考えて腹を立てての行動だった。(刑事事件では罰金30万円となっている。)


カネボウパワハラ事件(控訴審)

 ■ 2013年

  社内研修でコスチュームを着用する「コスプレ」を強要された女性が、精神的苦痛を受けた として、化粧品大手「カネボウ化粧品」の子会社「カネボウ化粧品販売」に勤務していた大分県内の女性が、社内研修でコスプレを強要された事件。

 会社と当時の上司らに約330万円の損害賠償を求めた訴訟で、会社側が女性に謝罪し、和解金を支払うことなどを条件に福岡高裁で和解が成立。 
 1審・大分地裁判決では、研修会で、ウサギの耳の形などをしたコスチュームを着用させられたことについて、「正当な職務行為とはいえない」として、子会社側に22万円の支払いを命じていた。 
 和解条項には、子会社側が〈1〉精神的苦痛を与えたことに遺憾の意を表明する 〈2〉再発防止に向けて社員教育を強化することなどが盛り込まれた。 


北九州市営バス待機時間未払い賃金請求事件

■ 2015年5月 

北九州市営バスの嘱託運転手が乗務の合間に待機する時間が労働時間に当たるかどうかが争われた事件。

 一審福岡地裁は待機時間について「労働から解放されておらず、使用者の監督下に置かれていた」として労働時間であると認定。市に対して、運転手ら14人に未払い賃金の計約1240万円を支払うよう命じた。

 市側は訴訟で「待機中は自由に過ごせるため、休憩時間に当たる」と主張していたが、裁判では「バスの移動や乗客対応をする必要があった」と認定。労働基準法が労働時間に当たると定める「労働者が使用者の監督下に置かれた状態」と判断した。

 


【交通事故訴訟】脳脊髄液減少症が認められた事例

交通事故により頚椎などを受傷した女性が、脳脊髄液減少症を発症しブラッドパッチ療法を受けたが、加害者側(保険会社)が脳脊髄液減少症の発症を争い訴訟になった事例。

女性の主治医である脳脊髄液減少症の専門医の意見書を提出したが決着がつかず、医師の証人尋問を行った。尋問は、病院に裁判所が出張して行う「出張尋問」の形で行われた。

加害者側(保険会社)は、そもそも脳脊髄液減少症という疾患は存在しないという主張であったが、医師が証人尋問で丁寧に脳脊髄液減少症について解説し、裁判官の理解を得た。

判決では、女性が脳脊髄液減少症を発症したと認定され、治療期間中の休業損害や後遺障害についての賠償が認められた。


【医療過誤訴訟】バストバンド着用について過失(医師の説明義務違反)が認められた事例

患者は、肺結核による左肺切除の既往のある高齢男性。

肋骨骨折の治療のため、医師はバストバンドを着用したが、その後数日のうちに患者は体調を悪化させ低酸素、高炭酸ガス血症を発症し死亡した。

裁判所は、医師が、バストバンドの着用は患者の既往からすれば、体調を悪化させるおそれのある治療法であり、強く締めすぎてはいけない、体調悪化時は連絡するようになどといった注意を説明することを怠ったとして、医師の過失を認め、損害賠償を命じた。